本研究では、骨髄由来間葉系幹細胞における転写因子、KLF4の機能解析を行った。shRNAを用いたKLF4の発現抑制により、細胞増殖率の上昇、脂肪分化率の顕著な上昇が観察された。次に、KLF4を強制発現させた間葉系幹細胞におけるマイクロアレイデータを解析した。その結果、細胞増殖に関連した遺伝子群はKLF4によってその発現が抑制されることから、KLF4発現抑制実験の結果を裏付けることができた。また、複数の細胞内シグナル経路に関する受容体遺伝子群の発現抑制も同定されたことから、KLF4は間葉系幹細胞の多能性維持に重要な役割を担っていることが示唆された。
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