研究実績の概要 |
本研究は新生児・乳児消化管アレルギーの迅速,容易で確実な診断のバイオマーカーの確立と未だ不明であるその病態を解明し,本疾患患児の成長発達の予後改善を目指している。
本症はIgEを介さない非即時型アレルギー反応が主体となって起きるとされている.細胞性免疫が関与して成立すると考えられているが、その機序はいまだ明らかになっていない.病態解明を目的としたサイトカイン解析の報告は続いているが結果は一致していない.これはサイトカインが急性期においても短期的に変動していること.さらに病型によってもその病態が異なる可能性を示唆している.本研究ではこの解明を目的とする. 急性期における症状を有す時点と無症状時の新生児・乳児消化管アレルギー患者の血清サイトカイン動態の検討.急性期と寛解時での新生児・乳児消化管アレルギー患者の血清サイトカイン動態の比較検討
収集した検体をCytometric bead array (CBA)法 (BD Biosciences社) を用いて血清中サイトカイン (IL-2, IL-4, IL-6, IL-10, IFN-γ, TNF-α) の測定を有症状、無症状時で行う.また鑑別疾患として嘔吐, 下痢など類似の症状をきたすウイルス性腸炎, 細菌性腸炎およびIgEアレルギー患者での検体を集め, 同様の解析を行い検討する.測定で得られたサイトカインプロファイルの解析を当科研究室で行う. その他の生化学検査の結果等と合わせ新生児・乳児消化管アレルギーの病態を検討、解明する. この結果から診断バイオマーカーを確立する.
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