研究課題
多数の顔貌画像情報を基づいた機械学習による診断補助情報提供として、近年急速に普及しているのが米国FDNA社によるサービスであるFace2Geneである。Face2Geneを含む機械学習アルゴリズムの性能に強く影響する要素は学習データの質と量である。Face2Geneにおけるアジア人顔貌データは限定的であるし、日本人データはあったとしてもごく僅かであると考えられる。このため、Face2Geneのアプローチを日本人希少疾患に応用できるのかを評価することが必要となった。代表研究者を含む研究チームは、グループ1として47症候群に診断された74名、およびグループ2としてダウン症候群と診断された34名の顔貌画像についてFace2Geneを適用した。顔貌認識成功症例と学習済症候群に限れば、グループ1においては85.7% (42/49)で上位10候補疾患として正しい疾患を提示する事ができた。さらにグループ2で同様の結果100%(17/17)であった。これにより、学習済症候群に限れば日本人症例でもすでに正確な診断候補提示が実現されていることがわかった。一方、学習済にもかかわらず高品位顔貌画像を用いても診断できない症候群が一部にあることも明らかになった。 この結果はMishima et al. Journal of Human Genetics (2019) DOI: 10.1038/s10038-019-0619-z として報告した。この診断がむずかしい超希少疾患の診断を可能にするためには3次元顔貌情報に基づく解析が有用であると考え、3次元顔貌解析装置の導入を行い、パイロットスタディーとして日本人コントロール群での顔貌特徴点解析を行った。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
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