研究分担者 |
鈴木 啓之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80196865)
末永 智浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70433365)
垣本 信幸 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90614412)
鈴木 崇之 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40816691)
土橋 智弥 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (20828488)
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研究実績の概要 |
近年、川崎病(KD)の罹患感受性や重症化に7遺伝子の一塩基多型(SNP)の関与が報告されている。この内、3遺伝子(ITPKC, CASP3, ORAI1)のSNPは、Nuclear Factor of Activated T Cells (Ca2+/NFAT)経路活性化に関与し、この経路がKD発症や重症度に強く関与することが示唆されている。我々はこれまでに、ガンマグロブリン静注療法(IVIG)不応の重症KDに、この経路に抑制作用を持つシクロスポリンA(CsA)の有用性を報告し(Pediatr Infect Dis J. 2011)、効果機序の一端に、細胞内シグナル伝達経路のJAK-STAT経路が関与することも報告している。しかしながら、実臨床において、IVIG不応の重症KD症例に対して、CsA投与を行っても十分な治療反応をしない治療抵抗例が存在している。そこで、今回、我々は、KDに対する新たな治療戦略を構築することを目的として、①KD症例の上記3遺伝子多型の測定、解析、②治療プロトコール(1st-,2nd-,3rd-,4th-line:それぞれIVIG, IVIG,CsA, IVIG) に対する治療反応性、③細胞内シグナル伝達経路(NFAT、JAK-STAT各経路)関連蛋白や遺伝子発現の定量、④各種サイトカイン(IL-2,6,10,18,sIL-2R,TNF-α等)と遺伝子発現の定量を計画することとした。現在、当院に入院するKD患者から、本研究への症例登録を行い、解析に必要な血液検体の収集を行った。現時点で完遂できていないが、今後、遺伝子発現量の定量、細胞内シグナル伝達経路関連蛋白の定量を行い、臨床経過と対応させて治療反応性との関連を検討してゆく状態である。
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