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2018 年度 実施状況報告書

バイオ医薬品製造用基材の内在性ウイルス除去

研究課題

研究課題/領域番号 18K07853
研究機関自治医科大学

研究代表者

久米 晃啓  自治医科大学, 医学部, 教授 (10264293)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードバイオ医薬品 / 細胞基質 / 内在性ウイルス
研究実績の概要

代表的なバキュロウイルス製造用細胞株であるSf9とHigh Fiveについて、報告されている内在性ウイルスの確認を行った。Sf9細胞については、内部対照となるハウスキーピング遺伝子(SfGAPDH)及び報告されている内在性ラブドウイルス(SfRV)の塩基配列から至適プライマーセットを設計して、エンドポイントRT-PCR及び定量的RT-PCR(RT-qPCR)の系を確立した。これを用いてSf9細胞内及びSf9培養上清中のSfRVを検出・定量し、1細胞当たりに存在するSfRVの数を推定した。さらに、Sf9培養上清を用いた感染実験により、Sf9細胞から感染性を有するSfRVが放出されていることも確認し、培養上清の単位容量当たりのSfRV存在数を推定した。High Five細胞についても、同様に内部対照となるハウスキーピング遺伝子(TnGAPDH)及び報告されている内在性ノダウイルス(TnNV)の塩基配列から至適プライマーセットを設計して、エンドポイントRT-PCR及びRT-qPCRの系を確立した。これを用いてHigh Five細胞内のTnNVを検出・定量し、1細胞当たりに存在するTnNVの数を推定した。
より安全なバイオ医薬品製造用細胞基質の構築を目指し、Sf9細胞からSfRVを除去する方法の探索を開始した。これまでに、2種類の核酸アナログ系抗ウイルス剤をSf9細胞のバルク培養系に添加してSfRVの消長を追跡したが、SfRVの減少や除去を示唆する結果は得られなかった。バルク培養ではSfRV除去が困難である可能性を考慮し、限界希釈法によりウイルス除去が可能であるか検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

年度内に内在性ウイルスが細胞ゲノムに組み込まれているか否かの検索をする予定だったが、こちらは未着手である。一方、次年度より開始予定だった抗ウイルス剤の添加実験を前倒ししてスタートできたので、全般的にはおおむね順調に進行していると評価した。

今後の研究の推進方策

ラブドウイルスゲノムの配列が宿主細胞染色体中に組み込まれているか、Sf9細胞ゲノムDNAを鋳型にしたPCRで組み込みの有無を判定する。ノダウイルスの配列が宿主High Five細胞染色体に組み込まれているかについても、High Five細胞ゲノムDNAを鋳型にしたPCRで組み込みの有無を判定する。
今年度使用しなかった核酸アナログ系の抗ウイルス剤に加え、RNAポリメラーゼ阻害剤も用いて、内在性ウイルスの除去効果を検討する。

次年度使用額が生じた理由

今年度は成果発表のための旅費を執行しなかったため。
旅費繰越しとて、研究成果蓄積に応じて次年度以降学会発表時に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] AAV6-mediated IL-10 expression in the lung ameliorates bleomycin-induced pulmonary fibrosis.2018

    • 著者名/発表者名
      Kurosaki F, Uchibori R, Mato N, Sehara Y, SagaY, Urabe M, Mizukami H, Sugiyama Y, Kume A
    • 雑誌名

      Human Gene Therapy

      巻: 29 ページ: 1242-1251

    • DOI

      10.1089/hum2018.024

    • 査読あり
  • [図書] バイオ医薬品・再生医療等製品開発のためのカルタヘナ法2018

    • 著者名/発表者名
      久米 晃啓
    • 総ページ数
      121
    • 出版者
      サイエンス&テクノロジー
    • ISBN
      978-4-86428-177-5

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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