医薬品、特にバイオ医薬品の安全性において、原材料から混入しうるウイルスやプリオンなどの感染性因子の問題は常に問題となる重大関心事である。Sf9に感染しているSfRVやHigh Fiveに感染しているTnNVについては、ヒトを含めた哺乳類に対する病原性は知られておらず、ICH-Q5ガイドラインでは「ケースC」として医薬品製造工程で十分なウイルスクリアランスを示せばよいことになっているが、工程内除去はあくまで相対的なものであり、根本的解決とは言い切れない。本課題の成果として得られたウイルスフリー細胞株は、そのような要求に対する答えの一つである。
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