研究課題/領域番号 |
18K07856
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
加藤 政彦 東海大学, 医学部, 准教授 (30292593)
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研究分担者 |
大坪 慶輔 東海大学, 医学部, 講師 (10401837) [辞退]
林 泰秀 群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 研究員 (30238133)
望月 博之 東海大学, 医学部, 教授 (50270856)
山田 佳之 群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 研究員 (80309252)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ウイルス感染 / 気管支喘息 / 自然リンパ球 / ライノウイルス / RSウイルス |
研究実績の概要 |
ウイルス感染は、気管支喘息 (喘息) の発症と増悪に関与している。また、好酸球は、種々の組織傷害性顆粒蛋白や活性酸素を放出し、喘息の病態に重要な役割を果たしている。一方、新たな自然リンパ球としてグループ2細胞 (ILC2: innate lymphoid cell 2) が同定され、肺や消化管に発現し、IL-33やIL-25と直接反応してIL-5やIL-13 を産生することから、従来の獲得型アレルギーとは別の自然アレルギー反応を惹起し、好酸球活性化を来す。 今回我々は、ウイルス感染喘息マウスモデルを用いてウイルス感染喘息の病態におけるILC2の役割解明と好酸球活性化の機序を明らかにすること、自然型及び獲得型アレルギーの双方を包括的に制御・抑制する新規治療ターゲットを模索することを目的とする。 今年度は、昨年度確立できたマウスの喘息モデルを用いて、RSウイルス感染により好酸球性炎症が惹起されるか否かを検討した。方法は、マウスに卵白アルブミン (OVA) を腹腔に2週間隔にて反復感作させ、2週後、1%OVAを30分間 (3日間) 吸入暴露させた。さらに、OVA吸入暴露の3日目にRSウイルス (10^5 TCID50/25g body weight) を鼻腔より投与した。その3日後、各群 (対照群、RSV投与群、OVA投与群、OVA/RSV投与群) のマウスを挿管し、マウスから肺胞洗浄液 (BALF) を採取し、好酸球を含めた炎症性細胞の比率を検討した。その結果、対照群のマウスに比べてOVA投与群およびOVA/RSV投与群では、BALF中の好酸球数の増加を認めた。さらに、肺の組織学的な検討では、対照群に比べOVA投与群及びOVA/RSV投与群では、気道に明らかな好酸球浸潤を認めた。以上より、RSウイルス感染させた喘息マウスでは、好酸球性炎症が惹起されることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、昨年度確立できたRSウイルスによる喘息マウスモデルを用いて、RSウイルス感染により、喘息マウスの好酸球性炎症の惹起を証明できた。一方、ライノウイルスについては、ウイルスの増殖および分離を含めて感染実験を確立することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ライノウイルスについて、当該施設での実験が困難な場合には、国内で実験を行っている他の施設との共同研究を検討する。また、ウイルス感染喘息増悪の病態に関与すると考えられる肺胞洗浄液および末梢血中の各種サイトカイン/ケモカイン測定についても、次年度の検討課題とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、ライノウイルスによる感染実験を確立することができなかった。また、喘息増悪の病態に関与する各種サイトカイン/ケモカイン測定等についても施行できなかったため、予定通り助成金を支出することができなかった。したがって、これらの実験を行うことにより、次年度に支出する予定である。
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