研究課題/領域番号 |
18K07862
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
山本 幸代 産業医科大学, 医学部, 准教授 (20279334)
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研究分担者 |
荒木 俊介 産業医科大学, 医学部, 講師 (20515481)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小児肥満 / NAFLD / ヘパトカイン / ヒアルロン酸 / セレノプロテインP / ケモカイン / CCL2 |
研究実績の概要 |
小児肥満でのヒアルロン酸およびセレノプロテインPの解析ー小児NAFLDの病態における関与の検討ー
北九州市定期健康診断で高度肥満・肥満の急進による受診勧奨によって、2016年から2018年度に当科を受診した肥満小児を対象に検討を行った。対象:93例(男44、女49)、3歳2ヶ月から16歳6ヶ月(正常 3例、軽度肥満 11例、中等度肥満 36例、高度肥満 41例、不明 2例)。 ①線維化マーカーの指標であるヒアルロン酸を測定し、CCL2との相関を検討した。肥満小児全体での検討、および高度肥満小児のみでの検討において、ヒアルロン酸とCCL2との間に有意な相関は認められなかった。 ②小児肥満においてセレノプロテインPがインスリン抵抗性の指標になるか検討すること目的とした。セレノプロテインP はインスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRと有意な相関関係が認められた(スピアマンの順位相関係数rs=0.329)。肥満度、および、ALT値との間には有意な相関関係は認められなかった。小児肥満においても、セレノプロテインPはインスリン抵抗性の指標と相関することが示された。NAFLDはメタボリックシンドロームの肝臓での表現型と考えられており、インスリン抵抗性が病態に重要とされている。小児NAFLDの病態において、セレノプロテインPの重要性が示唆された結果であると考えられる。今後は、Leaky gutの病態とヘパトカインとの関連について検討を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学校健診での成長曲線による肥満度異常のスクリーニングによって受診した、学童期肥満の臨床病態の解析を進めている。臨床病態の解析に関してはおおむね計画の通りに進んでいるが、ヘパトカインの測定がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
学童期肥満の臨床病態とヘパトカインとの関連の検討をさらに進めていく。また、ケモカインやLeaky gutのマーカーとの関連について、今後検討を進める予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度の前半は、休校要請のため学校が長期間休校となり、学校健診の実施も延期せざるを得ない状況であった。学校健診による受診勧奨で受診した肥満小児を対象として、血液検査の採取をすすめる計画であったため、対象者の人数が予定よりも少なくなったため、測定のためのキット購入費や、試薬測定の費用を使用しなかった。次年度に検体を採取する人数が増えたため、測定キットや試薬の購入をする必要があり、未使用額を使用する 予定である。
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