研究課題
本研究は、タンデムマスを中心とした新生児マス・スクリーニングで診断不可能な先天代謝異常症やQT延長症候群など、現時点で出生直後には診断困難であるが、新生児期での発見が重要と思われる遺伝子関連疾患等を対象に、ゲノム解析により出生直後より短時間でスクリーニング的に診断できるシステムを、本邦に相応しい形で構築し、そのプロトタイプを実現することを目的とした。まず、血液からのDNA精製については、multiplex PCRによる濃縮、ライブラリ構築の場合、低浸透圧法により5分以内で精製が可能であった。しかし、酵素法等によるライブラリ構築、キャプチャー濃縮においては、カラム精製が良く、15分程度を要したが大きな差とはならなかった。心伝導障害等も含みタンデムマスを中心とした新生児マス・スクリーニングよりも広くカバーすることを目的として、本研究では、最終的に1172遺伝子パネル(先天代謝異常、心疾患(伝導障害を含む)、免疫異常、神経筋疾患、呼吸器疾患)とし、SNV, indel, 一部CNVの検出は問題なく行えた(>200)が、今後のシーケンスコストの推移によっては、全エクソーム、または全ゲノムとバーチャルパネルの組合せを、拡張性からも検討すべきと考えられた。理由の一つとして、現在までに確認されたFPGAを用いたマッピングが圧倒的な早さ(全ゲノムデータマッピング約45分)のため、データ処理時間への影響が少なく、バリアントコールの精度も従来とほぼ変わらなかったことが挙げられる。本システムを活用して、前年度GBE1遺伝子、SCL25A20遺伝子等の先天代謝異常症の病的バリアント検出に加え、RYR2遺伝子、KCNH2遺伝子、SNTA1遺伝子等の心伝導障害原因遺伝子の病的バリアントが確認できた。本クリーニング法は、コストがかかるものの、72時間以内でのバリアント検出が可能であった。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (26件) (うち国際共著 1件、 査読あり 22件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)
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