骨格においてリンは多様な作用を発揮するが、少なくともその一部は細胞形質膜や基質小胞の膜上に存在するIII型ナトリウム/リン酸共輸送担体であるPit1およびPit2を介することが推察される。本研究においては、骨芽細胞の機能制御におけるPit1およびPit2の役割を明確にするため、骨芽細胞系細胞株にCRISPR/Cas9を適用することにより樹立したPit1欠損細胞、Pit2欠損細胞を用いた解析を行った。骨芽細胞におけるPit1やPit2は細胞外リン酸の上昇を介して石灰化の亢進とアルカリホスファターゼの低下をもたらし、ピロリン酸やATPの代謝に影響を及ぼすことが示唆された。
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