1.6q24関連新生児一過性糖尿病(TNDM)の遺伝子型-表現型解析 6q24-TNDMと遺伝学的に診断した日本人33例の出生歴、糖尿病の経過および合併奇形について解析した。父性片親性ダイソミー(pUPD6)20例、非メチル化6q24重複10例(1例はtriplication)、メチル化消失(エピ変異)3例であった。6q24重複例のうち、4例において、TNDM既往のない父が6q24重複を有しており、うち2例は非メチル化6q24重複であった。エピ変異の原因となり得るZFP57遺伝子変異についても検討したが、病的バリアントは同定されなかった。本邦におけるエピ変異の割合が少ないことはZFP57遺伝子変異が認められないことに起因することが示唆された。さらに、6q24重複例においては、3コピー発現例が認められ、幼児期においても寛解が認められず、必ずしも乳児期に寛解しない可能性も示唆された。また、6q24-TNDMにおいてもスルホニルウレア薬の有用性を示す症例が認められた。 2.KCNJ11-DMの新規バリアントの同定 KCNJ11遺伝子はNDMの他、MODYの病型を示すことが報告されている。学校検尿尿糖陽性例でインスリン治療を要した症例において、新規バリアントを同定しSU薬への変更が可能であることを示した。 3.原因不明NDM症例に対する網羅的遺伝子解析 原因不明NDM15例について、既知責任遺伝子を含む68遺伝子を搭載したパネルを用いてtargeted next generation sequencingを行ったが病的バリアントは同定されなかった。
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