• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

リボゾーム蛋白遺伝子異常に着目したDiamond-Blackfan貧血の病因解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K07868
研究機関弘前大学

研究代表者

神尾 卓哉  弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (50587011)

研究分担者 土岐 力  弘前大学, 医学研究科, 講師 (50195731)
金崎 里香  弘前大学, 医学研究科, 助教 (60722882)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードリボゾームタンパク / MDM2 / p53 / 造血不全 / マウス胎仔線維芽細胞 / RNA-seq
研究実績の概要

Diamond-Blackfan貧血 (DBA) は先天性の赤芽球癆であるが、どのように赤血球の造血不全を起こすか未だ解明されていない。仮説として、リボゾームタンパク(RP) のハプロ不全がRPの組み立てを障害し、過分なRPがMDM2と結合することでMDM2のp53ユビキチン化を抑制して、安定化したp53がアポトーシスを起こすことにより、造血不全が起こるのではないかと考えられている。そのため、RPとMDM2/p53が関与した赤血球造血不全のメカニズムを解明することが重要であると思われる。
我々は、RPとMDM2が結合できないMDM2C305F変異をもつマウスが特異的赤血球造血不全を起こすことを報告した。そこで、MDM2変異がRPとMDM2との結合、p53の相互作用のみで赤血球造血不全を引き起こすのか、それともその他の遺伝子・タンパクとMDM2C305F変異が赤血球造血不全に関わっているのかを解明する。具体的には3点の研究を行う予定であった。
1.MDM2遺伝子の変異体であるMDM2C305Fを培養細胞株に導入し、過剰発現系を構築することで、MDM2変異により発現が変化する遺伝子を抽出する。2.ゲノム編集CRISPR/Cas9法を用いてMDM2変異を細胞株に作成し、MDM2変異により発現が変化する遺伝子を抽出する。3.MDM2変異マウス胎児線維芽細胞・造血細胞で候補遺伝子・タンパクに変化があるか、検証する。
当初上記1を行う予定であったが、より明確な結果が出る可能性のある令和2年度予定を先行させた。すなわち上記3のMDM2変異マウスおよびコントロールの胎仔線維芽細胞の凍結検体と数日培養した検体からRNAを抽出を行った。次にRNA-seqを行い、MDM2変異により発現が変化する遺伝子をRNA-seq解析Webアプリケーソンソフト(iDEP)を用い、解析している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、MDM2遺伝子の変異体であるMDM2C305Fを培養細胞株に導入する実験を予定していたが、思うように細胞に遺伝子を導入することが困難であった。そのため、実験方法を余儀なく変更することとなり、時間が経ってしまった。
また、計画変更に伴い、マウス胎仔線維芽細胞からのRNA抽出方法や、コントロールとMDM2C305F変異細胞との正確な比較方法について、予備実験を行う必要があり、時間が経ってしまった。
現在、RNA-seq解析Webアプリケーソンソフト(iDEP)を用いて解析しているが、データ解析にも予定より時間がかかってしまっている。

今後の研究の推進方策

RNA-seq解析での結果を元に、発現が変化していた遺伝子に注目し、ウエスタンブロッティング法にて、そのタンパクの発現も確認する。タンパクに変化がみられなかったものに関しては、Real-Time PCRにてmRNAの発現を解析する。
その後、平成30年度の計画であった、1. MDM2遺伝子の変異体であるMDM2C305Fを培養細胞株に導入し、過剰発現系を構築することで、MDM2C305F変異により発現が変化する遺伝子を抽出する。2. ゲノム編集CRISPR/Cas9法を用いてMDM2C305F変異を細胞株に作成し、MDM2C305F変異により発現が変化する遺伝子を抽出する。以上のことを行う予定としている。

次年度使用額が生じた理由

RNA-seqの解析等の研究が思うように進まず、次年度使用額が生じてしまった。次年度使用額は、RNA-seq解析修了後に行う予定である遺伝子導入実験や学会発表や論文作成に使用予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] De Novo Mutations Activating Germline TP53 in an Inherited Bone-Marrow-Failure Syndrome2019

    • 著者名/発表者名
      Toki Tsutomu、Kamio Takuya、Ito Etsuro
    • 雑誌名

      The American Journal of Human Genetics

      巻: 103 ページ: 440~447

    • DOI

      10.1016/j.ajhg.2018.07.020

    • 査読あり
  • [図書] 血液内科2019

    • 著者名/発表者名
      神尾卓哉、伊藤悦朗
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      科学評論社
  • [図書] 血液疾患最新の治療2019

    • 著者名/発表者名
      神尾卓哉、伊藤悦朗
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      南江堂

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi