研究課題
“京都コレクション”に属するヒト胚子のMR画像、位相CT画像、連続組織切片等を出発材料として、コンピュータ上で再構成を行い、発生段階ごとに3次元可視化、定量化を行った。各発生段階の正常形態、計測標準値の確立をめざした。全身各器官で、下記のような検討がなされ論文化した。脳神経; 脳の血流にとって重要なWillis輪の形成について発生段階ごとに検討した。CS22,23で輪は完成するが、成人でみられるのと同様のvariationがすでにみられることがわかった(Furuichi et al 2018)。聴覚器;耳小骨の形成、骨迷路が膜迷路を追うように形成され、鼓室形成へ進む形成過程、タイムラインが明らかにされた (Ishikawa et al, 2018; Ohtsuki et al 2018)。視覚器; 胚子期末から胎児期において眼球の位置が脳頭蓋から顔面頭蓋に移動し位置が決まる過程を3次元的に追うことができた (Osaka et al 2018)。消化管;生理的ヘルニアの還納過程で、消化管は腹腔内に手繰り寄せられるのではなく、むしろ腹壁がもちあがり消化管を包む”wrapping”が起きていることを示した (Nagata et al 2018)。胚子期、消化管は大きい肝臓に押し出され臍帯内に脱出すると言われている。われわれは、肝臓の大きさに無関係に消化管は臍帯へ脱出することを示した(Kanahashi et al 2018)。腎臓;腎臓が発生時に上昇し回転することは教科書に書かれているが、その動きを3Dでしっかり観察し、集合管尿路系の形成との関連で論じた(Ishikawa et al 2018)。ヒト腎臓(後腎)における尿集合管系の形成過程を明らかにし実験動物(マウス)との差異を論じた(Ishiyama et al 2018)。
1: 当初の計画以上に進展している
画像データベースとしてMRI 9例、位相CT 60例の新規の画像取得ができた。取得画像を用いて脳、感覚器、消化管、腎臓等主要器官の解析が進んだ。
画像データベースをより充実させる。引き続き、全身各臓器の解析を進める。座標取得等を行い、数理統計学的解析が進むようにする。座標データを用いたモデル作成を進める。
予定していた標本のMRI撮像が、諸事情で昨年度一時中断することになった。MRI撮像は1体約j30000円の費用が必要であるが、繰り越した助成金で、本年度MRI撮像の費用を賄う予定である。
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