研究実績の概要 |
“京都コレクション”に属するヒト胚子のMR画像、位相CT画像、連続組織切片等を出発材料として、コンピュータ上で再構成を行い、発生段階ごとに3次元可視化、定量化を行った。各発生段階の正常形態、計測標準値の確立をめざした。全身各器官で検討がなされ論文化した。昨年度の実績に下記が新たに追加された。 腎臓;ヒト胚子期の腎臓の形成を、尿路樹形成と糸球体形成との関連性に着目し詳細に検討した(Kitazawa et al, 2021)。気管支、肺;胚子期の気管支の形成過程を立体的な詳細に観察した(Fujii et al, 2020)。ヒトの気管支の分岐様式についてmonopodial(側方分岐)か dipodial(先端分岐)かについて、気管支の枝の長さを基本に解析した(Fujii et al, 2021)。心臓;ヒトの心筋の構築の青写真は胚子期末(CS20-23, GSA8W)には、すでに形成されていることをDT-MRIデータから明らかにした (Nishitani et al, 2020)。腹壁;胎児期初期の臍帯ヘルニアの還納と腹壁(腹直筋)の形成との関連性について検討した。ダイナミックな腸管の再配置にもかかわらず、腹直筋、腹直筋間の距離、臍帯サイズはほとんど変化しないことがわかった(Ji et al, 2020)。骨格器;胎児期の上肢帯の形態形成、位置の変化について詳述した(Tanaka et al, 2020)。消化器;ヘルニア期、環納期の盲腸の位置について検討した(Nagata et al, 2020).ヒトの大網の形成過程について立体解剖学的に検討した(Nakamura et al)。
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