研究課題
Wnt3aのシス解析で特定した2ヶ所の原条エンハンサーの1つにCRISPR/Cas9で変異を導入したマウスWnt3aΔPSE1を作出したが、8.5日胚の原条におけるWnt3aの発現減少はコントロール胚に対し有意差を認めるものではなく、またホモ個体は生存維持が可能であった。そこで新たにCRISPR/Cas9システムを用いexon1に変異を導入したWnt3a KOマウスを作出し、既報の表現型と同等であると確認したので、現在Wnt3aΔPSE1のヘテロ個体と交配、繁殖させているところである。また糖尿病マウスの胚で体内臓器の右側相同が発生しその作用機序については既に報告済みだが、糖尿病マウスに与える餌のロットによって左側相同が出現することが明らかになったため、この環境要因について解析を始めている。
3: やや遅れている
Wnt3aΔPSE1の8.5日胚の原条におけるWnt3aの発現減少はコントロール胚に対し有意差を認めるものではなかった。そこでWnt3a KOとWnt3aΔPSE1のヘテロ個体同士を交配させて原条エンハンサーの活性を評価する必要があり、実験の進行が遅れている。また糖尿病母体の胎児で心臓形態の異常、側板中胚葉での左右関連遺伝子の発現パターンの異常を認めているが、餌のロット毎に 栄養成分が大きく異なり、安定した実験結果が得られない。
CRISPR/Cas9システムを用いexon1に変異を導入したWnt3a KOマウスと、Wnt3aΔPSE1と交配した胚を用いてPSE1のエンハンサー活性を証明する。糖尿病マウスに与える餌の各ロットの栄養成分を解析し、マウスへの給餌コントロールを行って、胚の臓器形態について調べる。
当研究室で既に所有している機械で解析することが可能であったため、新たな機材を購入せずに実験を遂行した。また予算の多くを占める予定の動物購入費に関しても、当研究室で作出繁殖しているマウスを用いた解析が多かったため、予算を次年度に持ち越すこととなった。
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