研究課題/領域番号 |
18K07884
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
川村 智行 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60271186)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 1型糖尿病 / インスリン療法 / カーボカウント / 脂質 / タンパク質 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、『1型糖尿病患者における、カーボカウントに加えて脂質・タンパク質摂取にも対応できる新規追加インスリン投与法の開発』である。研究方法として、マイクロミニブタによる1型糖尿病モデル動物をもちいた研究と、実際の1型糖尿病患者による臨床研究の同時進行で実施している。 Ⅰ,マイクロミニブタを用いた、1型糖尿病モデル動物の作成:メスの1歳マイクロミニブタに全身麻酔下でCVルートの確保、ストレプトゾトシンの投与、フリースタイルリブレの皮下留置した。持続的な血糖モリタリングが可能になり、糖尿病状態を確認しながら、適時採血も可能な状態にとなった1型糖尿病のモデル動物の作成に成功した。 Ⅱ.1型糖尿病患者による臨床研究:インスリンポンプを使用し、カーボカウントが確実に出来ている患者を用いて検証した。1)インスリンポンプの基礎インスリン量とインスリン/カーボ比の設定が問題無いことを確認した。2)オリーブオイル、キャノーラ油、バターなど油脂だけをキャベツやしそなど糖質やタンパク質を含まない食材とともに経口摂取してもらった。その結果、血糖上昇効果を認めなかった。3)脂質をほとんど含まずタンパク質を多く含む食材として鶏ササミ、フグ、キハダ鮪、イカ、ちりめんじゃこをそれぞれ経口摂取してもらった。その結果、鶏ササミ、フグ、キハダ鮪では、血糖上昇を認め、同じタンパク質量を含有するイカ、ちりめんじゃこでは血糖上昇を認めないことが判明した。 このことから脂質のみでは食後血糖を上昇させることが無く、タンパク質のみで食後血糖を上昇させること、タンパク質の影響は食材の種類で異なる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Ⅰ.マイクロミニブタを用いた、1型糖尿病モデルの作成:1型糖尿病のモデルの作成には成功した。持続的に血糖値をモリタリングすること、経時的な採血が可能な状況にすることが出来た。しかし、ストレプトゾトシンの副反応と思われる、多臓器不全を起こし、長期生存を維持することには失敗した。また現在、マイクロミニブタの購入が、豚コレラの全国での感染拡大で停止しているため新規の購入が滞ているため。マイクロミニブタの研究は一旦中断している。 Ⅱ.1型糖尿病患者による臨床研究 様々な食材の影響を検証するための患者数がまだ不足しており、得られたデータを確証するためには試験患者数の増加が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
Ⅰ.マイクロミニブタを用いた、1型糖尿病モデルの作成 全国での豚コレラの感染が沈静化すれば、マイクロミニブタの研究が再開できる。 また長期生存を可能とするためには、ストレプトゾトシンが膵β細胞を障害し、多臓器に与える障害程度を最小限にする至適投与量を検討する必要がある。豚コレラの感染が沈静化により、マイクロミニブタの搬入が可能になれば続けて、1型部糖尿病モデル動物作成して、様々な食材による食後血糖の影響と至適インスリン量の血糖を行う予定である。 Ⅱ.1型糖尿病患者による臨床研究 当科外来中の1型糖尿病患者は多数(450名)おられるので、本研究に参加できる1型糖尿病患者を募集し、得られたデータを確証するためには試験患者数をさらに増加する。また被験者に負担が少なく、安全な食事負荷の方法や内容を検討することも必要であると考えている。また現在、新たに2種類の持続的な血糖モリタリングシステムが臨床的に導入できる予定であり、様々な食材による食後血糖の変動については患者への負担が少なくデータ収集が出来るようになると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
全国的な豚コレラ流行のため、マイクロミニブタの実験が中断しているため。
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