研究課題/領域番号 |
18K07884
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
川村 智行 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60271186)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 1型糖尿病 / マイクロミニブタ / インスリン |
研究実績の概要 |
マイクロミニブタにストレプトゾトシンを投与することで1型糖尿病のモデル動物を作成することに成功した。フリースタイルリブレを皮下に埋め込むことで持続的な血糖値モニタリングを行いながら、中心静脈ルートを確保し、随時採血が可能な状態を作り、頸静脈的にインスリンの持続注入を行うことで1型糖尿病患者と同じようにインスリン療法で血糖管理を行うというモデルを作成することが出来た。 しかし今回は、糖尿病状態完成後の約1週間後から、モデルブタの全身状態が悪化し長期生存を維持することが出来なかった。死亡前の検血では、高度なアシドーシスを呈していることが分かった。さらに剖検し組織診断を行った結果、間質性腎炎を呈しており、ストレプトゾトシンによる薬剤性の尿細管障害が死亡原因であると考えられた。今後はストレプトゾトシンの投与量や分割投与などの投与方法を検討し、長期生存させることでの出来る方法を確立する予定である。本研究内容は、第62回日本糖尿病学会年次学術集会で報告した。「1型糖尿病モデルブタ作成および皮下Flash Glucose Monitoring留置による血糖管理方法の確立に関する検討」 またこの研究期間の間に、もう一つの持続血糖モニタリングシステムであるDexcom G4が上市され使用可能になった。Dexcom G4を用いると、持続的な血糖モリタリングが高精度に遠隔で可能であり、次回のミニブタへの血糖モリタリングには、Dexcom G4の埋め込みを試みる予定である。 その他、実臨床の研究として、各種食事内容と食後との血糖値の関連を様々な持続血糖モニタリングシステム(リブレ、Minimed640G、Dexcom G4、ガーディアンコネクトシステム)を用いて検討を続けており、今後もデータを蓄積していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ブタコレラの蔓延で、実験用のブタの購入が困難になっている。 新型コロナウイルスのパンデミックと非常事態宣言のため、研究活動が停止している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナパンデミックによる非常事態宣言が解除されれば できるだけ早急にブタを用いた研究を再開する。 これまでに課題であった、ストレプトゾトシンの投与量と投与方法の検討 持続的な血糖モリタリングをDeccom G4に変更することで成功率が高まると考えられる。
その他、実臨床の研究として、各種食事内容と食後との血糖値の関連を様々な持続血糖モニタリングシステム(リブレ、Minimed640G、Dexcom G4、ガーディアンコネクトシステム)を用いて検討を続けており、今後もデータを蓄積していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験動物の搬入停止などで研究動物が使えなかった。 夏までには、実験動物搬入が可能になると考え、可能になれば再開する。 またそれが無理な場合には、鹿児島大学と協働して鹿児島大学の実験動物を使用させていただくことも計画している。 また1型糖尿病患者をもちいた臨床研究にも研究費は必要である。
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