研究課題/領域番号 |
18K07887
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
高橋 和浩 帝京大学, 医学部, 講師 (60297447)
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研究分担者 |
高里 実 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40788676)
三牧 正和 帝京大学, 医学部, 教授 (40392419)
磯島 豪 帝京大学, 医学部, 講師 (00568230)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小児 / 特発性ネフローゼ症候群 / 自己抗体 |
研究成果の概要 |
特発性ネフローゼ症候群(NS)は高度蛋白尿をきたす慢性疾患で、発症原因は未だ不明である。本研究は小児特発性NS患者を対象とし、患者血中の自己抗体に着目して発症原因を解明することを目的とした。 その結果(1)患者血中の自己抗体は当初予想された抗IL-4抗体とは異なる抗体であること、(2)自己抗体は蛋白が尿に漏出することを防ぐ機構の中で重要な役割を果たす腎上皮細胞上の分子に結合すること、(3)腎臓由来の細胞株を用いた実験で患者血漿が腎上皮細胞の細胞骨格の維持に必要な経路を活性化すること、がそれぞれ明らかになった。 以上から患者血漿中のIgMクラスの自己抗体がNS発症に関与している可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
小児科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特発性NSはその約40%が頻回再発型NSで、ステロイドを長期間にわたって使用するため、成長障害といったステロイドによる小児特有の副作用が問題となっており、患者のQOL低下とあいまって、その発症の原因解明が待たれてきた。 今回の研究では、NSを発症させる物質を同定するには至らなかったものの、IgMクラスの抗体である可能性を示せたことで、例えば血中自己抗体をモニターして疾患の再発を予測するなど、臨床応用する可能性を示すことができたと考えている。
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