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2019 年度 実施状況報告書

肝がんの分化多様性におけるエピゲノム制御システムの意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K07900
研究機関東京大学

研究代表者

南 達也  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60459401)

研究分担者 立石 敬介  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20396948)
中塚 拓馬  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50772042)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード肝がん
研究実績の概要

哺乳類の正常発生における様々な細胞系譜への分化はGeneticではなくEpigeneticな遺伝子発現機序で決定される。多様なEpigenetic修飾による遺伝子発現の変化は、がん細胞においても分化状態などに影響し、その生物学的特性を変化させうる。慢性障害肝におけるがん化が肝細胞の脱分化を伴うことは、胎児性タンパクであるAFPが肝がんの腫瘍マーカーであり、慢性障害肝でも上昇していることからも明らかである。
最近では肝細胞がんの組織の中に、胆管細胞系譜の性質をもつがん細胞が混在しており、さらには経過中に胆管細胞のマーカーが二次的に出現し、同時にがんの悪性度が増加するなどの臨床上の知見が得られている。しかしながら、いわゆる脱分化、分化転換といわれる現象と寄与する分子機構に関しては不明な点が多い。
本研究では、肝がんの分化多様性におけるエピゲノム制御システムの意義の解明を目指す。がんのtumor herterogeneityは実臨床における化学療法における治療反応性の不均一性の原因であり、その分子機序解明は重要である。近年の肝がんのゲノムリシークエンスにより、肝がんの様々な変異が同定されたが、それぞれの変異は様々な細胞内シグナルや制御機構に影響し、細胞分化異常にも寄与すると考えられる。本研究は肝がんの遺伝子変異が肝がんの分化の不均一性形成に影響を及ぼすかどうかについて、その分子機構を含めて検証する。そのために脂肪肝からの肝がん自然発生Alb-PIK3CATgマウスを含めた遺伝子改変マウスモデルを用いて解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り野生型IDH1(WT)および変異型IDH1(R132C) 発現マウスの肝組織像を経時的に評価
した。具体的には肝脂肪沈着、炎症像、腫瘍発生の有無についてHE で検討した。野生型IDH1(WT)および変異型IDH1(R132C)発現マウス肝組織を用い、DNA・ヒストン修飾プロファイルの変化を評価した。

今後の研究の推進方策

変異型IDH1(R132C)発現マウスをAlb-PIK3CATg マウスと交配し肝発がんへの影響を解析する。具体的には肝脂肪沈着、炎症像、腫瘍発生の有無、腫瘍が見られた場合はその組織像についてHE で検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Mutant IDH1 confers resistance to energy stress in normal biliary cells through PFKP-induced aerobic glycolysis and AMPK activation2019

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara Hiroaki、Tateishi Keisuke、Misumi Kento、Hayashi Akimasa、Igarashi Kaori、Kato Hiroyuki、Nakatsuka Takuma、Suzuki Nobumi、Yamamoto Keisuke、Kudo Yotaro、Hayakawa YokuKogure Hirofumi、Nakai Yosuke、Isayama Hiroyuki、Hasegawa Kiyoshi、Fukayama Masashi、Soga Tomoyoshi、Koike Kazuhiko
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 9 ページ: 18859

    • DOI

      10.1038/s41598-019-55211-w

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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