研究課題/領域番号 |
18K07908
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
杉本 健 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20529507)
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研究分担者 |
大澤 恵 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10397391)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 難治性小腸潰瘍 / IL-22 / 粘膜防御機構 |
研究実績の概要 |
本研究では腸管粘膜のバリア機構を増強し、炎症反応制御に深く関与しているIL-22の発現に関与していると考えられている芳香族炭化水素受容体(Aryl Hydrocarbon Receptor:AhR)が小腸における粘膜防御機構に関与しているかどうかを評価する。具体的にはマウスから単離した小腸粘膜がAhR-activatorの刺激にてIL-22が誘導されIECの粘膜防御機構に関与するか探索を行う。2018年度はマウスより小腸粘膜を単離し、AhR-activatorの刺激にてIELのIL-22が産生されることが確認できた。2019年度はAhR-activatorの刺激にてIL-22以外にIECの粘膜防御機構に関わるような分子の発現亢進がみられるかmRNA arrayで解析を進める。また、AhR-activatorにてIELを刺激しIL-22産生を誘導した後、IELとIECをco-cultureしIECにおけるSTAT3の活性化やそれによって誘導されるgoblet cell-associated gene等の粘膜防御に関わる物質の発現について解析する。2020年度以降はin vivoでのAhR-activator投与によるマウス小腸でのサイトカインの産生調節機構とIECに対する粘膜防御機構の解析を進める。具体的にはex vivoでIELのIL-22誘導が確認されたAhR-activatorをマウスに連続経口投与し、マウス小腸粘膜にて粘膜担当細胞のサイトカインプロファイルに変化がみられるか、またIECの粘膜防御機構に関わるような分子の発現亢進がみられるか探索を行う。さらにwild typeマウスあるいはAhR欠損マウスを用いたAhR-activator投与によるインドメタシン誘発性マウス小腸傷害モデルの治療効果を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
AhR-activatorの刺激にてIL-22以外にIECの粘膜防御機構に関わるような分子の発現亢進がみられるかmRNA arrayで解析を進める予定であるが、AhR-activatorで刺激した後、IELのviabilityが落ちてしまうため、arrayに必要な十分な量のmRNAをIELから抽出するのに難渋した。AhR-activatorの刺激時間、刺激濃度を細かく調節することでIELのviabilityは徐々に改善しつつあり、2019年度中には解析可能と思われる。
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今後の研究の推進方策 |
ex vivoでIL-22をもっとも効率よく誘導するAhR-activatorが同定出来たら、そのAhR-activatorをwild typeマウスに連続経口投与しマウス小腸粘膜において粘膜担当細胞のサイトカインプロファイルに変化がみられるか、またIECの粘膜防御機構に関わるような分子の発現亢進がみられるか調べる。また、wild typeマウスあるいはAhR欠損マウスを用いたAhR-activator投与によるインドメタシン誘発性マウス小腸傷害モデルの治療効果を検討する。
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