テストケースとしてData Warehouse(DWH)を使用し長崎大学病院におけるフレイルの頻度抽出を行い、それらの症例における慢性肝疾患、慢性腎不全やCOPDなどの有病率を検討中である。また、あじさいネットにおける情報提供病院にGatewayの設置および各病院のデータ収集について説明を行い同意を得た。 臨床検査データの共有化のために、「あじさいネット」を利用している診療所を対象に検査を委託している外注業者4社、「あじさいネット」の情報提供病院13施設の臨床検査項目コードおよび基準範囲を対象に、当院の検査項目コードをJLAC10コードに変換し、検査項目コードを比較した。当院と外注業者との紐づけ作業を示しており、「あじさいネット」の情報提供病院13施設においても同様な作業を行った。また共用基準範囲については、長崎県下の病院に対して採用状況のアンケート調査を実施した。地域医療情報システムである「あじさいネット」上で検査データを標準化するにあたり、①検査項目コードの共有化②共用基準範囲の採用③施設間での精度管理の充実が必須である。外注業者4社の検査項目コードについては、4社中2社がローカルコード、2社がJLAC10との回答があった。しかし、長崎大学病院内検査項目コードと紐付したJLAC10 コード、基準範囲は一部異なっていた。そのため検査項目コードの共有化においては、当院が設定したJLAC10 コードを軸に、各業者の検査項目コードを変換した。 本研究においてDWHによる症例の集積、多施設ネットワークにおけるデータ収集の準備によりフレイルに対するリアルワールドデータの集積が可能となった。
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