研究成果の概要 |
胃内視鏡検査において除菌後患者および除菌後胃癌患者を選定し17例(除菌後胃癌8例、除菌後非癌9例)において、内視鏡下の粘膜ブラシ検体サンプリングを行った。回収した粘膜ブラシ検体から次世代シークエンサーを用いて16S rRNAメタゲノム解析を行い、胃内粘膜関連胃内細菌叢の分析において、門レベルでは、Haemophilus, Capnocytophaga, Oxalobacteraceae門の平均存在量は、除菌後非癌患者よりも除菌後胃癌患者で有意に減少した(P = 0.034, P < 0.01, P < 0.01)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
除菌後胃に生じる胃癌の原因は、高度胃粘膜萎縮、高度腸上皮化生が知られているが、それ以外の原因は明らかではなかったため、さらなる除菌後胃癌のハイリスクを絞り込むことが、除菌後患者のサーベイランスに重要であった。今回の結果は、除菌後胃癌のハイリスクを絞り込むために重要な結果であると考えられる。さらに、今回の研究では十分に検討できなかったが、ターゲットとなるHaemophilus, Capnocytophaga, Oxalobacteraceae門に関連する代謝産物を同定することで発癌に関与するタンパク質の解明が除菌後胃癌発生の原因や予防に貢献できる可能性がある。
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