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2018 年度 実施状況報告書

好酸球性食道炎の病態における胃酸の自然型アレルギー反応誘導

研究課題

研究課題/領域番号 18K07917
研究機関大阪市立大学

研究代表者

藤原 靖弘  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40285292)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード好酸球性食道炎
研究実績の概要

好酸球性食道炎は慢性アレルギー疾患であり、指定難病の一つである。欧米に比べて本邦では稀とされてきたが、最近報告数が増加してきている。EoEの一部にプロトンポンプ阻害薬が有効な症例があり、PPI反応性好酸球浸潤(PPI-REE)と提唱されている。EoEはTh2サイトカインによる好酸球浸潤を伴う炎症と粘膜下層の線維化が本態である。一方、PPIが有効な機序として、酸逆流による食道上皮バリア機構の破綻に基づく抗原の易侵入性を防止する機序とPPI自体の抗炎症作用が想定されているが、詳細な機序は不明である。本研究は胃酸が自然型アレルギー誘導を介して食道局所の慢性好酸球性炎症を修飾するという仮説を基にマウスモデルならびに臨床検体を用いて研究を行った。臨床的検討:当科で集積したEoE症例を対象として検討を行った。EoE症例は①PPI-REE群、②PPI投与では改善せず、ステロイド嚥下療法により自他覚症状が改善したEoE群、③P難治性EoE群、④食道のみならず胃・十二指腸・大腸にも病変を伴った群、⑤無症状EoE群に分けた。検討項目として、1)臨床的背景の比較:臨床背景(年齢、性別、身長・体重、罹患年数、アレルギー歴、同胞数、末梢血好酸球数、IgEレベル、内視鏡所見、食道内好酸球数など)を比較し、臨床的特徴についてはそれぞれの群でほぼ同様な臨床的特徴がみられた。2)PPI投与による組織学的評価を行うための至適な生検プロトコールが十分確立されていないことから、5個以上の生検を行ったしょうれいに関して解析を行った。結果、下部食道と中部食道から2個づつ4個の生検が必須であることが判明した。3)生検材料を用いた免疫組織化学染色を行った。免疫染色でもリンパ球、好中球、好酸球の染色を行い、IgG4の同定も行った。4)基礎的研究:マウスEoEモデルを確立することが困難であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

症例の集積が順調に進んでおり、サンプル数も確保できている。一方、動物モデルに関しては十分な検討はできていない

今後の研究の推進方策

臨床サンプルを重視した研究の方向性を検討している

次年度使用額が生じた理由

試薬などはこれまでの購入したものを用いたため次年度に消耗品などで使用する予定

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Optimal Biopsy Protocol to Evaluate Histological Effectiveness of Proton Pump Inhibitor Therapy in Patients with Eosinophilic Esophagitis2018

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara Yasuhiro、Hashimoto Atsushi、Uemura Risa、Sawada Akinari?、Otani Koji、Tanaka Fumio、Yamagami Hirokazu、Tanigawa Tetsuya、Watanabe Toshio、Kabata Daijiro、Kuwae Yuko、Shintani Ayumi、Ohsawa Masahiko
    • 雑誌名

      Digestion

      巻: 11 ページ: 1~8

    • DOI

      10.1159/000494253

    • 査読あり
  • [学会発表] PPI反応性好酸球性食道炎における自覚症状、内視鏡像、組織所見の改善度についての検討2019

    • 著者名/発表者名
      藤原靖弘、橋本篤、上村理沙、沢田明也、大谷恒史、田中史生、山上博一、谷川徹也、渡邉俊雄
    • 学会等名
      第15回日本消化管学会総会学術集会
  • [学会発表] PPI治療後における好酸球性食道炎診断のための至適な生検方法に関する検討2018

    • 著者名/発表者名
      藤原靖弘、橋本篤、上村理沙
    • 学会等名
      JDDW2018

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公開日: 2019-12-27  

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