研究課題
好酸球性消化管疾患について以下の研究を行い結果を得た118人の好酸球性食道炎患者にPPIまたはP-CABを投与し、その効果について検討した。薬剤は少なくとも8週間投与し、自覚症状、内視鏡所見、組織所見(食道内好酸球数)について評価した。結果、いずれの群においても同等の効果が得られたことから、P-CABはPPI同様に好酸球性食道炎に有効な治療であることが判明した。好酸球性食道炎の内視鏡所見については十分に解明されているが、胃病変については明らかでないことから、組織学的に確定診断の得られた好酸球性胃炎18例について、内視鏡所見、組織所見について検討した。SMT様潰瘍、タコノアシ所見、マスクメロン所見、縦走溝所見など特徴的な内視鏡所見が同定できた。好酸球性食道炎はIgE依存ならびにIgE非依存の両方が関与する疾患である。IgEに関与するアレルギー感作について多項目パネルの検査結果を基に解析した。アレルゲン感作状況により、クラスター1(最小限のアレルゲン陽性)、クラスター2(主に外環境アレルゲンならびに植物抗原陽性)、クラスター3(内部環境アレルゲンならびに動物抗原陽性)に分けられた。それぞれの群間で症状や内視鏡所見が異なることから、Phenotypeが存在することが明らかになった。無症候性と症候性の患者より得られた生検材料を用いて免疫組織学的に検討を行った。MBP陽性細胞数、EDNスコア、Eotaxin陽性細胞数、IgG4スコアについて両群間で有意差を認めなかったことから、無症候性症例も好酸球性食道炎と同様の病態である可能性が示唆された。最終的に日本人の好酸球性食道炎の症状についてシステマティックレビューを行い、日本人の典型的な症状頻度は53%であること、無症候性患者も約20%存在することが明らかになった。症状別に診断フローチャートを作成し、治療方針についても述べた
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