本研究は内視鏡的手縫い縫合法(endoscopic hand suturing: EHS)を用いた安全な内視鏡治療の確立および新しい治療手技の開発を目的として立案された。胃および大腸内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection: ESD)後の粘膜欠損部に対してEHSを行う多施設および単施設単アーム探索的臨床研究を施行、いずれの臓器においても本法が可能であり、術後出血予防効果を示唆する成果が得られた。また、本法を用いた新規内視鏡手技に関する机上・動物実験を施行、ESD時の牽引や筋層切除への応用、3D内視鏡による技術的難度の低減効果を確認しえた。
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