研究課題/領域番号 |
18K07922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
工藤 正俊 近畿大学, 医学部, 教授 (10298953)
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研究分担者 |
西田 直生志 近畿大学, 医学部, 准教授 (60281755)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / 微小免疫環境 / 免疫チェックポイント阻害剤 / チロシンキナーゼ阻害剤 / PI3K-Akt経路 / β-catenin経路 |
研究成果の概要 |
肝細胞癌(肝癌)において、癌関連シグナルの変化は腫瘍微小免疫環境に影響する可能性がある。本解析により、PD-L1陽性肝癌は腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が多く、PI3K-Akt活性型変異が多いことが確認された。一方、β-カテニン経路の活性型変異を持つ肝癌はPD-L1陰性かつTILに乏しかった。ICI治療を受けた肝癌例では、β-カテニン経路活性化の有無, TIL, PD-L1の状態で治療における予後を層別化できた。PD-L1陽性肝癌はPI3K-Akt活性に介在するチロシンキナーゼ阻害剤の併用が有効である可能性がある。一方、PD-L1陰性肝癌はβ-カテニン阻害剤の影響を検討する余地がある。
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自由記述の分野 |
消化器内科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PD-L1陽性肝癌は免疫細胞浸潤(TIL)が多く、しかしTILには複数の抑制型受容体が発現しており、PI3K-Akt変異例が比較的多い。従って、PI3K-Akt活性に介在するチロシンキナーゼ阻害剤が併用に有利である可能性がある。PD-L1陰性肝癌はTILに乏しく β-カテニン経路活性型変異を持つ。β-カテニン阻害剤の腫瘍免疫への影響を検討する余地がある。PD-L1発現肝癌は、CK-19やSALL4陽性例が多いが、従来治療に難治であり、ICIとPI3K-Ak阻害剤併用に期待が持たれる。TILに複数の抑制型受容体が発現していることより、2種の抑制型受容体に対する複合免疫療法にも期待される。
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