研究実績の概要 |
日本人IBD(inflammatory bowel disease)患者20例のジャポニカアレイによるジェノタイピングと、腸管切除標本中のLPMCsに存在するTemのRNAシーケンスを行いeQTL解析を行った。さらにGWAS (genome wide association study) の結果を使用してトランスクリプトームワイド関連解析 (transcriptome-wide association study; TWAS) を行った。 【結果】IBD患者LPMC由来TemのRNAシーケンスによって、32,363遺伝子の発現が確認された。eQTL(expression quantitative trait locus)解析により候補 (p < 1e-04) となる相関が22,632ペア、2,463遺伝子が確認された。この中には、GWASで相関が候補レベル以上を示した多型として6番染色体の19 SNPs が含まれており、腸管のTemにおけるtenascin-XA (TNXA) 遺伝子の発現と有意な相関を示した (PGWAS = 6.34e-09, PeQTL = 3.49e-05) 。TWASではHLA領域の複数の遺伝子発現とCDとの関係を確認したほか、全血でTNFSF15 (FDR = 1.35e-13) 、APOBEC3A (FDR = 6.79e-02) の2遺伝子、EBV不死化リンパ球でERV3-1 (FDR = 2.20e-02) およびRAP1A (FDR = 9.45e-02) 、横行結腸でNPIPB9 (FDR = 7.66e-02) およびIGLV3-29 (FDR = 9.70e-02) 、S状結腸でZNF713 (FDR = 3.03e-02) 、WDR31 (FDR = 8.07e-02) が有意に相関を示した。
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