研究課題/領域番号 |
18K07940
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
菅野 啓司 広島大学, 病院(医), 准教授 (30448237)
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研究分担者 |
小林 知貴 広島大学, 病院(医), 助教 (00817075)
大谷 裕一郎 広島大学, 病院(医), 助教 (00817091)
杉山 晶子 広島大学, 病院(医), 研究員 (30788469) [辞退]
岸川 暢介 広島大学, 病院(医), 講師 (50711347)
田妻 進 広島大学, 病院(医), 教授 (80201614) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ペリオスチン / 非アルコール性脂肪性肝炎 / 肝星細胞 / 肝脂肪化 / 細胞外マトリックス蛋白 |
研究実績の概要 |
前年度の研究成果において、ペリオスチンアンチセンス核酸は食餌性の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)マウスモデルにおいて、肝脂肪化・肝線維化を有意に抑制することを証明した。そのメカニズムの解明を目的に、in vitroの検討を行った。肝臓を構成する各種細胞株におけるペリオスチンの発現を比較検討したところ、その主要な産生源は肝星細胞であることが判明した。そこで、肝星細胞を培養した培養液で肝細胞を刺激したところ、肝細胞への有意な脂肪蓄積が観察され、この変化は抗ペリオスチン抗体の同時添加で有意に抑制された。つまり、肝星細胞から産生されるペリオスチンが肝細胞脂肪化において重要な役割を果たすことが示された。そこで、肝細胞にrecombinantペリオスチンを直接添加したところ、肝細胞への脂質蓄積の促進が観察された。さらに、脂質代謝に関する遺伝子発現を検討した。その結果、in vivoでの検討で認めたPPAR alphaとそのターゲット遺伝子の発現の低下を認め、ペリオスチンが肝細胞内での脂肪酸酸化を抑制していることをin vitroでも証明した。さらに、ペリオスチン添加による細胞内シグナル伝達系の検討をwestern blotで確認した。リン酸化p38, p65の増加が認められ、in vivoの肝臓でも同様の結果が得られた。これらの知見から、ペリオスチンはNASHの病態に大きく関与しており、その発現を抑制するアンチセンス核酸は病態改善に期待できる創薬ターゲットであることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の実験計画をほぼ完了した。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果を発信するための、論文作成を行う。
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