研究課題/領域番号 |
18K07955
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
尾松 達司 朝日大学, 歯学部, 准教授 (50367562)
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研究分担者 |
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00305575)
高木 智久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70405257)
内山 和彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50298428)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 核酸センサー / 腸管炎症 |
研究実績の概要 |
本邦において急増している炎症性腸疾患の病態では、腸内細菌叢の攪乱に伴うTh17細胞をはじめとした腸管粘膜内免疫担当細胞の過剰応答が複雑に絡む原因不明の疾患であり、その機序を解明し新規治療法を確立することは医学的・社会的に喫緊の課題である。本研究では、樹状細胞における細胞質内の核酸センサーであるSTING (Stimulator of interferon(IFN) genes)に着目し、そのLigandである細菌特異的なシグナル伝達物質であるc-di-GMPによるTh17細胞増殖・活性化機構、ならびに、腸内細菌叢を介した腸管内ホメオスタシスへの関与を明らかにする計画である。具体的には、ヒト潰瘍性大腸炎の糞便を用いて、STINGノックアウトマウスに移植することにより、炎症性腸疾患におけるSTINGの役割を検討する予定であり、計画に沿い、まずは抗生剤カクテルによって腸内細菌を消失させた無菌類似マウスの作成を開始した。既報を参考にしながら、抗生剤の種類、量、投与期間など、様々な条件を繰り返し検討し、バンコマイシン、アンピシリン、ネオマイシンの3剤、そしてメトロニダゾールを加えた4剤の自由飲水のプロトコールを策定した。今後はコントロールであるC57BL/6とSTINGノックアウトマウスを用いて、炎症性腸疾患における腸内細菌叢がSTINGを介したTh17細胞分化誘導などの免疫賦活化にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにし、腸管炎症への影響などを検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
無菌類似マウス作成のための抗生物質条件設定に関して遅れが生じている。また遺伝子改変マウスの購入と繁殖にも、仔食殺や哺育放棄などの理由で遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト潰瘍性大腸炎の糞便を採取し、ノックアウトマウスや無菌類似マウスを用いて検討を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は昨年の使用計画に沿ってマウス購入など行っているが、実験の実施が計画より遅れており、次年度での使用額が生じている。次年度は腸炎の作成と解析に使用する予定である。
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