研究課題
本研究は、診療時に採取された腫瘍FFPE検体の残余を用いてRNAシークエンス解析を行なって臨床病理学的、分子生物学的特徴を明らかにし、胆道がんの個別化診断を開発して分子標的や免疫療法のアンブレラ型臨床試験開発に結びつけることが目標である。本年度は、ホルマリン固定(FFPE)標本を用いた微量RNAシークエンス解析系の構築を行なった。手術凍結標本4例について、凍結標本からの高純度RNAの抽出と共にFFPE標本からFFPE-RNAを抽出し、高純度RNAではpolyA-RNAを用いた全RNAシークエンス、FFPE-RNAでは21,000と1,300遺伝子のcDNAキャプチャーによるターゲットRNAシークエンスを行なって遺伝子発現値の比較を行なった。これにより、cDNAキャプチャー法ではFFPE検体と凍結検体の遺伝子発現値の強い相関を認めた(R=0.66~0.81)。また、30検体の針生検FFPE標本から微量RNAの抽出を進めた。
2: おおむね順調に進展している
針生検FFPE標本からの微量RNAの抽出の検討とFFPE-RNAのターゲットRNAシークエンス法の評価を完了することが出来た。
これまでの研究計画に変更はない。診療時採取の腫瘍FFPE検体残余を用いた前向き研究によって、3年間で120症例の進行性胆道がんのサンプルを得る。FFPE検体からRNAを抽出し、RNAシークエンス解読を行なって遺伝子発現異常の解析同定を進める。
繰り越しは核酸定量が未了な分の試薬費である。次年度速やかに定量を進める予定である。
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Genome Medicine
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