研究課題
本研究は、バイオプシーや外科手術において診療時に採取された腫瘍ホルマリン固定(FFPE)標本の残余を用いてRNAシークエンス解析を行なって臨床病理学的、分子生物学的特徴を明らかにし、胆道がんの個別化診断を開発して分子標的や免疫療法のアンブレラ型臨床試験開発に結びつけることが目標である。前年度の予備実験によるRNA抽出を踏まえて、本年度は針生検や外科手術からの215症例のFFPE標本からtotal RNAの抽出を進めた。用いたFFPE標本は、4um厚切片の1もしくは2枚である。215例中の199例 (92.6%) からは30ng以上のRNAが抽出できた。50検体のRNAについては、FGFR2, KRAS, IDH1を含む1385遺伝子のcDNAキャプチャー法によるターゲットRNAシークエンスを進めた。シークエンスデータの解析を進めた結果、FGFR2融合遺伝子の発現やKRAS, IDH1の変異遺伝子の発現を検出することが出来た。
2: おおむね順調に進展している
FFPE切片からのRNA抽出を安定的に行なうことは難しいが、約200症例からのRNA抽出が完了したため。
これまでの研究計画に変更はない。診療時採取の腫瘍FFPE検体残余を用いた前向き研究によって、3年間で120症例以上の進行性胆道がんのサンプルを得る。FFPE検体からRNAを抽出し、RNAシークエンス解読を行なって遺伝子発現異常の解析同定を進める。
差額2,376円はPCR primerの合成に用いるもので、本年度すぐに使用する予定である。
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