胆道がんは、日本を始めアジアでの発症が比較的多い難治がんである。我々は以前の研究によって分子標的としてFGFR2融合遺伝子を同定している。本研究では、新しい分子診断系を確立する目的で、生検FFPE検体を用いてFISH法とRNAシークエンス解析によってFGFR2遺伝子の再構成を調べた。進行もしくは再発の日本人胆道がん患者445名を対象にした前向きスクリーニングを行い、23例をFGFR2遺伝子再構成陽性と判別した。FGFR2遺伝子再構成は、肝内胆管がんの7.4% (20/272)、肝門部胆管がんの3.6% (3/83)に見られ、65歳未満やHBV/HCV陽性症例に有意に多いことが明らかとなった。
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