肝癌臨床組織を構成する癌細胞および非癌細胞の構成組成を、系統的エピゲノム情報を用いてバルク癌組織のデータのみから高精度に定量する手法を確立し、その有用性を検証した。混合線形モデルでデコンボリューションを行い、各種細胞の構成比率と癌細胞の純粋なメチル化率を推定した。肝臨床組織のマルチオミックス解析に実装したところ、癌組織が含む腫瘍細胞由来の割合をLUMP法で推定した結果と上皮系細胞画分とは非常によく相関することが明らかになった。バルクのメチル化データの階層的クラスタリングで同定した腫瘍細胞成分が少ないサブグループ(E4)は、CD4・CD8+T細胞や単球・マクロファージ系細胞が多い傾向がみられた。
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