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2019 年度 実施状況報告書

傷害肝の修復におけるマクロファージの代謝スイッチと線維形成・吸収の制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K07976
研究機関鹿児島大学

研究代表者

井戸 章雄  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30291545)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード肝再生 / 修復 / 急性冠不全 / マクロファージ / gpnmb / 肝硬変
研究実績の概要

2019年度は、HGF-MET signalingが骨髄細胞由来マクロファージの表現型に与える影響を検討した。IFN-γ+LPS誘導のM1マクロファージ、IL-4誘導のM2マクロファージ、非誘導のM0マクロファージを対象とし、c-MetのmRNA発現、タンパク発現をRT-qPCR、Western Blottingを用いて検討したところ、c-Metの発現は、M1マクロファージにおいて亢進し、HGF添加によりMetのリン酸化が誘導され、特にM1マクロファージにおけるリン酸化の誘導が強くみられた。
また、HGF添加によるマクロファージの表現型の変化をRT-qPCR、ELISAによりmRNA発現とタンパク発現を解析し、HGF-MET signalingにより活性化される下流シグナルと転写因子をWestern Blottingを用いて評価したところ、HGF添加は、M1マクロファージにおけるiNOS、TNF-α、IL-6のmRNA発現量を抑制し、Arg-1のmRNA発現ならびにTGF-β、IL-10の分泌を誘導すること、さらにM1マクロファージにおけるHGF-MET signalingはPI3K pathwayを介してAkt、GSK3β、CREBのリン酸化を誘導し、NFκBの転写活性を抑制することが認められた。
上記結果から、骨髄細胞由来マクロファージにおけるHGF-MET signalingは炎症性から抗炎症性へと細胞内応答を転換する重要なシグナル経路であることが示され、創傷治癒における炎症期から増殖期に移行する過程でのマクロファージの役割、ならびにHGF投与による新たな病態の形成や疾患の進行など副作用への影響を推測する知見が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

gpnmb欠損マウスに四塩化炭素を用いて急性肝障害を誘導したが、実験系が安定せずに繰り返し実験を行うとともに、慢性肝障害モデル(肝硬変)を用いることも視野においてモデル作成を進めている。

今後の研究の推進方策

マウス疾患モデルの解析を進め、併せてヒト(非代償性肝硬変)のサンプルを用いた解析を進めていく予定である。
また、C型非代償性肝硬変に対するHCV治療が可能となったことから、ヒトサンプルを用いた研究にも着手した。

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公開日: 2021-01-27  

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