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2019 年度 実施状況報告書

大腸癌進展に関与するエピゲノムおよびlncRNAの同定と診断・治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K07977
研究機関札幌医科大学

研究代表者

新沼 猛  札幌医科大学, 医学部, 助教 (60708113)

研究分担者 鈴木 拓  札幌医科大学, 医学部, 教授 (20381254)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードlong noncoding RNA
研究実績の概要

本研究は、癌進展に伴うエピゲノム変化を指標に大腸癌の進展・転移に関わるlncRNAを同定し、診断・治療法開発につなげることを目指す。研究の1段階目として、大腸癌・大腸腺腫・正常大腸の遺伝子発現データならびにエピゲノムデータをパブリックデータベースより取得した。使用したデータセットはThe Cancer Genome Atlas(TCGA) 大腸癌データセット、また、正常大腸組織と大腸腺腫の遺伝子発現データセットとしてGSE8671を取得、大腸癌とその対となる大腸腺腫組織のヒストンH3K4me2のChIP sequenceデータとしてGSE66216を取得。GSE66216はhg38リファレンスゲノムにbowtie2にてマッピング、macs2にてピークコールを行った後に、macs2のbdgdiffにて大腸癌・腺腫間で異なるピークを検出した。このデータにおいて複数の大腸癌にてピークが見られるlncRNAに着目し、TCGA並びに、GSE8671の解析を行い、正常大腸に比べ大腸癌・大腸腺腫において発現が亢進しているlncRNAを抽出した。抽出したlncRNAの中からAC116049に着目し解析を行った。AC116049はqPCRによる発現解析で正常大腸に比し発現の亢進が見られる大腸癌細胞株としてColo320、SW620、CaCo2などが存在した。AC116049をクローニングし、発現ベクターに導入後RKO、HCT116、DLD1それぞれの細胞株にトランスフェクションし、コロニーフォーメーションアッセイを行ったところこれらの細胞株において細胞増殖能の亢進が認められた。AC116049はTCGAデータ上大腸癌のほか、乳がん、頭頚部癌などにおいても発現亢進が認められた。そこで乳がん細胞株を用いてAC116049をノックダウンしたところ細胞増殖能の抑制が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現時点では大腸癌進展に関与する可能性のあるlncRNA候補の同定し、lncRNAの細胞株における発現状況の確認を確認した。遺伝子ノックダウン、ベクターによる過剰発現による機能解析の結果から機能的なlncRNAを抽出できたと考えられる。今後はlncRNAの機能についてその局在や相互作用するタンパク質、クロマチンとの相互作用などを詳細に検討する予定である。

今後の研究の推進方策

今後は抽出されたlncRNAについて細胞増殖能、細胞遊走能・浸潤能を各種アッセイによりin vitro , in vivoにおいて評価する。また、RNAプルダウン法によりRNA・タンパク複合体を抽出し、質量分析法で結合タンパクを同定する。大腸がん、大腸腺腫の検体を用いてH3K4me2のChIP解析やlncRNAの遺伝子発現解析を行い、臨床病理学的所見との比較検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

臨床検体のChip seq解析、遺伝子発現のマイクロアレイ解析などの実施が遅れており、次年度使用額が生じた。上記解析は本年度に行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] UHRF1 depletion and HDAC inhibition synergistically reactivate epigenetically silenced genes in colorectal cancer cells.2019

    • 著者名/発表者名
      新沼 猛
    • 学会等名
      日本癌学会学術総会

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公開日: 2021-01-27  

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