女性ホルモン作用を有するエクオールの更年期女性の脂肪肝への影響を検討した。健診を受診した50-60代女性503名のうち飲酒量がエタノール換算で20g/日未満の439例を対象とした。エクオールの測定はイムノクロマト法で尿中エクオール濃度が1μM以上の場合にエクオール産生者と定義した。エクオールの産生別での脂肪肝の頻度を比較し(カイ2乗検定)、脂肪肝とエクオール産生の関連について、脂肪肝を目的変数、エクオール産生、年齢、生活習慣(喫煙・運動・活動・速歩き・早食い・就寝前の夕食、朝食抜き・睡眠の満足)を説明変数とした多変量解析で検討した。439例中エクオール産生者は121例(27.5%)であった。エクオール産生有無別の脂肪肝の頻度は、産生群35例(28.9%)、非産生群127例(39.9%)でエクオール産生群で脂肪肝は有意に低頻度(p=0.042)であった。多変量解析では、エクオール産生の脂肪肝オッズ比が0.62(95%信頼区間0.39-0.98)、p=0.03であった。以上から、50-60代の更年期女性においてエクオール産生は、生活習慣とは独立して脂肪肝に関連することが明らかとなった。
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