研究課題
1.2.肝線維化・脂肪化超音波診断法が肝生検に替わる定量的診断法になり得るか?7825例の慢性肝疾患のうち測定基準に合致した809名を対象に、TEおよびVTQから得られた値を用い組織学的に診断された線維化および壊死炎症のグレードと比較検討した。TEおよびVTQの線維化診断能AUROCは、F2以下、F3以下、F4はそれぞれ、TEが0.809、0.860、0.947、TQが0.793、0.836、0.941であった。肝線維化の進行とともに肝硬度は有意に上昇した。また肝の壊死・炎症の進行でも肝硬度は有意に上昇した。各線維化グレードごとの検討でも肝硬変例を除いて炎症が高値なほど肝硬度は高値であった。肝生検が施行された148例とATI値との比較検討ではSteatosis grade 1以上、2以上、3のAUROCは0.85、0.91、0.91であり肝線維化、脂肪減衰法による診断は組織診断に変わりうることを報告した。さらに多施設研究としてMRIPDFFと脂肪減衰法による比較を行いMRI-PDFFをゴールドスタンダートとして119例のATIの診断能を検討.RI-PDFFとAITの相関はr=0.70であった。MRI-PDFFによるSteatosis 1以上、2以上、3に対するATIのAUROCは0.81、0.87、0.94であり組織、MRI、超音波減衰法はほぼ同等な診断能であると考えられた。3. 超音波診断法と電子顕微鏡学的検討により発癌リスクに迫れるか?に関しては現在、発癌例と非発癌例で電子顕微鏡における検討を行いC型肝炎ウイルス排除後の肝細胞癌に関連するオルガネラ異常とし投稿中である。
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Hepatology Research
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