研究課題
基盤研究(C)
本研究では、『がん細胞内でメチル化されているゲノム領域(即ち、ヌクレオソームを形成している領域)は、血中遊離DNAとして安定に存在する』ことに着目して、脱メチル化をモニターする新規リキッドバイオプシーの開発を目的とした。胃がん細胞において高度にメチル化されており、脱メチル化剤治療後にメチル化レベルが大きく低下する遺伝子を959個同定した。これらのうち46個の遺伝子においてmRNA発現の回復が認められた。これらの遺伝子は、血中遊離DNAを用いた脱メチル化のモニターに応用できる可能性がある。
がんエピジェネティクス
現在、脱メチル化剤治療の固形がんへの応用に向けた臨床試験が精力的に展開されている。本研究で得られた候補遺伝子は、固形がんにおける脱メチル化剤治療の効果モニターに応用できる可能性がある。このようなバイオマーカーを用いた脱メチル化の高感度なリキッドバイオプシーの確立は、固形がんに対する脱メチル化剤治療の臨床導入を加速すると考えられる。