研究課題/領域番号 |
18K07991
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
澤田 康司 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80548660)
|
研究分担者 |
長谷部 拓夢 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (10596282)
田中 宏樹 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70596155)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | NAFLD / 腸内細菌 / 選択的インスリン抵抗性 |
研究実績の概要 |
Non-alcoholic fatty liver disease(NAFLD)/non-alcoholic steatohepatitis(NASH)からの肝硬変、肝癌患者の割合が増加しているが有効な薬物療法は少なく、これら病態に至る前段階において治療介入が重要であると考えられる。 研究者は今までの研究からすでにNAFLD/NASH治療に関して、Lactobacillus brevis 8803(L. brevis 8803)の単独投与で高脂肪食負荷NAFLDモデルマウスの病態改善効果(体重増加抑制、ALT低下、コレステロール低下、空腹時インスリン低下、脂肪肝改善)を見出し、RNA-sequencingやwestern blot法でinsulin receptor substrate 2(IRS-2)の発現が変化していることを明らかにした。一方でIRS-1の変化は認めないことからL.brevis 8803は部分的に肝臓の選択的インスリン抵抗性を改善させることで、NAFLD病態を改善させる可能性が考えられた。またIn vitroの実験において、脂肪酸を負荷した肝癌細胞株(Huh7)と小腸様細胞株Caco-2 BBEの共培養下にL.brevis 8803を作用させるとHuh7内の脂肪滴が著明に減少することを明らかにし、L.brevis 8803とCaco-2 BBEの相互作用が脂肪肝改善に関与していることが考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による様々な制限のため、及び当大学の動物実験施設改修による動物実験の遅延が生じているため。
|
今後の研究の推進方策 |
L.brevis 8803とHuh7及びCaco-2 BBEを用いたIn vitroの実験において、In vivoと同様の結果が得られるかどうかを確認し、L.brevis 8803のNAFLD改善の直接的なメカニズムを解析するとともに、論文投稿準備を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による実験の遅延のため次年度使用額が生じた。 使用計画 In vitro実験における消耗品と論文投稿準備に使用する。
|