トランスジェニック法により作成されたヒトIgG 製剤と血清中に存在するIgGを区別してdetectするために以下の方法を開発した。一般的なELISAプレートでは、血清中のIgGの非特異的な接着を抑えることができなかった。すなわち、血清IgGの非特異的接着によりヒト抗TNF製剤だけをdetectすることができなかった。そこで、特殊なコー-ティング(住友化学)を施したavidinプレートを用いた。avidinがプレートに固相化されており、そこにblockingのための特殊コーティングを施したプレートである。TNFをbiotin化してavidin-biotin結合でプレートに固相化した。これにより、ヒト血清で希釈したヒト抗TNF製剤の定量がほぼ既知の濃度で測定できたことから血清IgGの非特異的な接着はほぼblockできていると考えられる。現在、トランスジェニック法により作成された抗TNF製剤の投与を受けた患者の血清を集め、臨床効果、内視鏡的効果との比較検討を実施中である。今後の検討課題であるが、この薬剤に対する抗体(抗薬物抗体)の測定法を開発し、薬物血中濃度と抗薬物抗体の存在(濃度)との関連を明らかにしていく予定である。
|