研究課題/領域番号 |
18K08003
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡部 健二 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (50379244)
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研究分担者 |
山田 憲嗣 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教授 (70364114)
飯島 英樹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90444520)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 消化器複眼内視鏡 / 三次元パノラマ / ステレオマッチング |
研究実績の概要 |
我々は複眼内視鏡における三次元パノラマ観測技術を確立しようとしている。本研究はその概念実証であり、三次元パノラマの技術的基盤の確立が本研究の目標となる。2018年度は研究環境の整備を行い、シミュレーションモデルおよび生体ex vivoモデルでの初歩的検討を行った。2019年度の代表的な結果は以下のとおりである。 1)シミュレーションモデル: 異なる径の円柱を対象にその内腔に直径1cmの正方形模様を張り付けて複眼内視鏡を挿入、注射筒の中を80mm移動させながら連続して画像を取得した。前後フレームのマッチングにより移動量を推定、画像をつなぎ合わせることで三次元パノラマを作成した。i)移動量推定精度: 80mm移動において移動量推定誤差は、直径26mm円柱で0.8mm、直径31mm円柱で1.0mm、直径36mm円柱で誤差1.2mmであった。ii)形状認識精度: 三次元パノラマに再現された正方形の大きさを測定すると、直径26mm円柱で誤差0.51%、直径31mm円柱で誤差0.63%、直径36mm円柱で誤差0.47%であった。 2)生体ex vivoモデル: 豚より摘出した食道を円柱の断面の上に設置、直径1cmの正方形を網目状に張り付けた。複眼内視鏡は同モデルに平行して80mm移動させながら連続して画像を取得した。前後フレームのマッチングで移動量を推定、画像をつなぎ合わせて三次元パノラマを作成した。移動量推定の誤差は0.8mm、正方形の測定誤差は0.66%であった。 3)内視鏡光源の確保: 内視鏡光源の光ファイバーが破損断線したため、内視鏡先端にLEDランプを装着して観察を行ったが、十分な光量が得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シミュレーションモデルおよび生体ex vivoモデルでの計測および解析を終えた。誤差は少なく精度の高い結果が得られたことは有意義であったと自己評価している。その成果を論文発表した。 一方、ステレオマッチングの精度は不良であり改善が必要である。複眼内視鏡内の光ファイバーが断線し、代替となる光源を探しているがいまだ決まらない。モデルの観察は外照射により光源を確保できるが、生体内の観察(動物実験)では外照射が使えず観察が出来ない。
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今後の研究の推進方策 |
1)複雑なシミュレーションモデルでの検討: 今までは円柱を対象とした簡単なモデルの計測であったが、円柱の表面にポリープや潰瘍を模した隆起や陥凹など患者に近い複雑なモデルを作り、複眼内視鏡の観察によりそれらが三次元パノラマで再現出来るか検証する。 3)ステレオマッチングの精度向上: マッチングのモデルを見直す。 4)複眼内視鏡の光源確保: LEDランプ以外の光源を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
工学系の研究である。研究環境整備の初期投資は高額だが、それ以降の実験は消耗品のみで高額ではない。動物実験を行えば購入・維持費が高額となるが、内視鏡光源を喪失した現在において動物実験を行うことは出来ない。
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