研究課題
2019年度に構築したコンピュータ自動診断装置(Computer-aided Diagnosis System, CADx)を用いた特定臨床研究(登録番号jRCTs022190014)が進行中である。この試験では、国内の3施設(自治医大、京都府立、当施設)が参画し、CADx有群と無群の間で、5mm以下の小腺腫の発見率を主要評価項目とした比較を行った。コロナ禍のため、研究の進捗状況は遅れているが、2021年内には最終結果が出る予定である。上記の結果を踏まえて、本研究の主要テーマであるsessile serrated lesion(SSL)の検出に焦点を絞ったCADxの開発を行なった。右側結腸ポリープ1030病変の非拡大白色光画像2249枚を、切除時期により学習用4:試験用1に分割した。Crop、data augmentation、Resnet50ネットで特徴抽出、softmaxなどの深層学習手法を用い、腺腫と鋸歯状病変(HP+SSL)の鑑別を可能とし、SSLと HPも鑑別できるCADxの構築も試みた。性能試験は、215病変(腺腫87、SSL41、HP87)の内視鏡画像400枚を用いて、各画像のprobability scoreを算出し、この平均値>0.5を基準に病変の診断とした。他施設の内視鏡専門医2人がランダムに並び替えられた同一内視鏡画像のprobability scoreを判定することにより評価した。腺腫と鋸歯状病変を鑑別するCADxの診断能は、専門医と同等あるいは優っていた。しかし、SSLとHPを鑑別する診断能は専門医よりも劣っていた。SSL を的確に診断できるCADxシステムの開発は、今後の課題と考えられた。この結果は、国内外の主要学会で発表が予定されており、論文化を進めている段階にある。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
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