病期の異なるC型慢性肝炎(CHC)と健常人の血清胆汁酸組成、腸内フローラおよび肝組織RNAシーケンシング(RNA-Seq)データを用いてCHCと非CHCの肝内胆汁酸代謝酵素発現量を比較した。 便中・血清胆汁酸組成は病初期から変化した。CHCでは便中デオキシコール酸(DCA)量が健常人と比較して有意に減少した。CHCでは病初期から胆汁酸代謝古典的経路の主要酵素cytochrome P450 8B1(CYP8B1)の発現量が有意に低下していた。さらに便中DCA量は腸内フローラでのレンサ球菌属の相対量と逆相関し、CHCで見られるdysbiosisの特徴は便中DCA減少と関連していることが分かった。
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