非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、肝硬変、肝細胞癌に進行する疾患である。NASH患者が急増する本邦において、NASH病態発症・進展機序の解明しなければならない。そこで、本研究では、NASH病態における迷走神経肝臓枝を役割解明を目的とした。 迷走神経肝臓枝を切除するとNASHの肝臓線維化病態を増悪させた。肝星細胞にはムスカリン型アセチルコリン受容体サブタイプ2(mAchR2)が高発現していた。mAchR2欠損マウスでは、野生型マウスと比べて、CCl4およびMCDによる肝臓線維化を増悪さえた。肝星細胞のムスカリンシグナルは肝臓線維化に対して抑制的に作用することが示唆された。
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