今回研究開発代表者らが提案する低分子化合物PRI-724は、Wnt-β-cateninシグナル阻害剤で、特にCBP-β-cateninシグナルのみを阻害する点が非常に独創的である。すでに、我々は胆汁うっ滞線維化モデルのみならず、HCV Tg miceや四塩化炭素誘導線維化モデル及びコリン欠乏メチオニン減量NASHモデルにおいても、抗線維化治療効果を報告している。本研究の成果により線維化に対する有効な治療薬開発が実現すれば、肝硬変に伴う様々な合併症も改善され、肝不全への進行や肝がんの発症も予防可能となる。肝硬変患者の予後の改善が見込まれ、それに伴う医療費の削減により医療経済的にも貢献できる。
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