研究実績の概要 |
Coupling factor 6は核内酸性化による老化促進作用を有し、その原因蛋白質がNM_026333であることを背景に、標的分子と阻害薬の作用について検討した。初年度、NM_026333の標的分子チャネルがNCX1であることを明らかにした。さらに、NM_026333の標的分子であるNCX1の阻害薬のアンチエイジング作用を確認できた。すなわちSN-6の投与により老化のhallmarks (genomic instability, autophagy, epigenetics, telomere attrition) がすべて改善された。今年度は、そのチャネル阻害薬がprimary aging hallmarksを抑制した場合、CF6過剰発現マウスに投与し、primary aging hallmarksの中のtelomere attrition に対する影響を、マウス眼窩から採血して得られた白血球ゲノムDNAを検体として、PCR法で測定し解明することであった。白血球ゲノムDNAは、QIAamp DNA Blood Mini Kitを用いてを抽出した。PCR試薬の終濃度は、容量10 microl中、1X QuantiFast SYBR Green Master Mix (Qiagen), 20 ng DNA, 300 nmol/l forward telomere primer (5’-ACACTAAGGTTTGGGTTTGGGTTTGGGTTTGGGTTAGTGT-‘3), 300 nmol/l reverse telomere primer (5’-TGTTAGGTATCCCTATCCCTATCCCTATCCCTATCCCTAACA-‘3), 350 nmol/l forward 36B4 gamma-globin primer (5’-ACTGGTCTAGGACCCGAGAAG-‘3), 350 nmol/l reverse 36B4 gamma-globin primer (5’-TCAATGGTGCCTCTGGAGATT-‘3) であった。100週齢前後の老化促進モデルマウス(TG)では野性型マウス(WT)に比較して、白血球テロメア長は有意に短縮していた。NCX1阻害剤SN-6(3mg/Kg)をマウス(middle-aged TG及びold-agedTG)の腹腔に隔日投与した場合は、投与後4週目から白血球テロメア長は延伸が認められ、10週後では約15%の白血球テロメア長延伸が確認された。
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