研究課題/領域番号 |
18K08024
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
坂田 泰彦 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (90379206)
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研究分担者 |
後岡 広太郎 東北大学, 大学病院, 特任准教授 (20598411)
宮田 敏 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (60360343)
澤田 正二郎 東北大学, 大学病院, 講師 (60509420)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 循環器内科学 |
研究実績の概要 |
糖尿病性心筋障害は糖尿病による代謝異常を起点として生じる心筋障害であり、最終的には糖尿病性心筋症に至り生命予後を脅かす。近年、社会の産業化と生活習慣の欧米化に伴い、わが国でも虚血性心疾患を合併した心不全が増加しており、疫学的には、その発症と病体形成に糖尿病が大きく関与していることが示されている。しかしながら糖尿病性心筋障害の発生機序は明らかではなく、虚血性心不全の発症予防と治療に対する糖尿病・代謝面からのアプローチが未だ困難である。しかし近年、科学技術の進歩に伴いゲノムに加えて核酸や蛋白質、代謝産物などの生体情報を網羅的に取得・解析するオミックス解析が可能となった。本研究では糖尿病を合併する虚血性心疾患症例において心筋還流前後ならびに末梢血の血漿サンプルを取得してメタボロームおよびマイクロRNA情報を網羅的に取得して比較検討を行い、虚血性心疾患における糖尿病性心筋障害の病態形成機序を明らかにする。2020年度は東北大学病院循環器内科において検査・加療を行った循環器疾患758例においてメタボローム情報の取得と約40例でマイクロRNA情報の取得を完了し、データのクリーニングと臨場情報との結合を経て糖尿病性心筋症の診断バイオマーカー候補の同定が完了した。2021~2022年度は糖尿病の有無で差を認めるエピゲノム・プロテオーム・メタボローム情報を複数同定した。現在予後情報と関連付けを行い、臨床に役立つバイオマーカーの探索と創薬に結びつく病態解明に向けて研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ渦により人的・資材的不足があり研究が遅れているが、2023年度中に追いつく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り研究を遂行し、臨床に役立つバイオマーカーの探索と創薬に結びつく病態解明に向けて研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ渦に伴う人的・資材的不足のため、研究に遅れが生じたため、研究費に残余が生じた。2023年度に研究の遅れを取り戻し、全て使用する予定である。
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