我々は、Midkine (MK)がEGFRを活性化し左室リモデリングの進展を促すことを報告したが、詳細な機序は不明であった。加えて、MKとNucleolinとの結合によって、EGFR活性が亢進することや左室リモデリングが進展することを明らかにした報告は皆無である。また、NucleolinがMKと結合後に核内に移行するが、核内Nucleolinによる抗アポトーシス効果やMKとの関連性に関しては、報告がない。本研究ではMKとNucleolin複合体が心筋細胞障害、心筋細胞保護のdual effectを発揮する機序に関して理解が深まるため、心不全の新規の治療法の開発につながる重要な基盤研究となる。
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