学術的意義としては、Wnt non-canonical経路が加齢現象や高血圧発症に関わる事、重要な血管収縮物質であるアンジオテンシンⅡ(AngⅡ)による血管収縮にはWnt5aが必要でありWnt5a-RhoA経路の活性化を介して生じ、Klothoにより抑制されることを初めて明らかにした。また、高齢マウスの腎動脈ではAngⅡへの感受性が増大しており、食塩摂取時にWnt-RhoA経路活性化による血管収縮性の増強が腎動脈で生じ、腎血流が低下して高血圧を発症する機序を証明し、Klotho補充にて正常化することを示した。また社会に高齢者高血圧の新規治療法を提示するとともに、減塩の重要性を発信した。
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