研究課題
基盤研究(C)
頻脈性または頻発性の不整脈により生じる心機能低下症例での遺伝的素因を検討するため、拡張型心筋症の原因として報告されている心筋症関連遺伝子変異を評価した結果、高頻度ではないが拡張型心筋症と同様の変異を認められることが明らかとなった。核医学検査法を用いた検討からはミトコンドリア機能は正常か軽微な障害に留まり心筋傷害の程度が心筋可塑性に関連しており、心筋傷害の指標は、頻脈性または頻発性の不整脈により生じる心機能低下と拡張型心筋症と共に心機能改善を予測できうることが明らかとなった。
循環器学
不整脈や頻脈という環境因子により心筋症が発症する人としない人が存在するが、未だ明らかになっていないその発症の差異をもたらす個人差の解明につながっていく研究成果である。アルコールや妊娠などの他の環境因子と同じような疾患発症病態の存在が不整脈と関連する心筋症においても示唆され、研究の発展により将来の心筋症の発症リスクや発症予防、治療法の開発に発展することが期待される。